漏洩補修の対象となる流体や、温度によって、当然、コンパウンドも様々な種類が必要となります｡その基材は、使用目的から言っても、一般的なパッキンやガスケットとほぼ同じ組成となります｡すなわち、ゴムや各種繊維が、様々な配合剤とともに使用されます｡もちろん、成型済みのそれらには流動性がありませんから、成型のために型に入れられる前の、流動性のある状態が、漏洩補修のための、コンパウンドとなります｡このコンパウンドが、実際のラインで、漏洩を起こしているフランジや、バルブ自体を型として注入成型されることにより漏洩の補修が行われます。

　コンパウンドには、次のような種類があります｡

主　　　剤

性　　　　　　質

用　　　　　　　　　途

温　度　範　囲

イソプレン系

天然ゴムとほぼ同じ組成を持っています。

蒸気・水やアルコールまた酸やアルカリにも使用可能です｡

 常温〜230℃

水素化ニトリル系

耐油性の良い、扱いやすいゴムです｡

蒸気はもちろん、ガソリンや軽油にも使用できます｡

 常温〜280℃

エチレンプロピレン系

酸やアルカリに強く、耐老化性のあるゴムです｡

幅広い化学物質に強く、また繊維で補強しての使用もします｡繊維量によって、バルブのグランド用から、高温蒸気用まで使い分けが出来ます｡

繊維補強なし

常温〜280℃

繊維補強

常温〜540℃

フッソ系

耐温度の最も高いバランスの良いゴムです｡ただし高価で、あまり取り回しがよくありません｡耐油性は最も優れています｡｡

高温の原油や重油に使用する事が出来ます｡また腰が強い為、高圧の大漏洩補修にも向いています｡

100℃〜300℃

シリコーン系

フッソゴムに次ぐ耐温度性能がありますが、蒸気に耐性が有りません｡

 繊維で補強して高温の化学物質・油に使います、

 ‐20℃〜480℃

テフロン系

ゴム系のコンパウンドでは対応できない化学物質用です｡

テフロン繊維に特殊グリスを加え、流動性を与えています｡

-40℃〜200℃

　コンパウンドは、全て、弊社オリジナルの配合設計の下、国内で生産されており、常に現場の声をフィードバックさせ、日々改良されるような体制になっています｡漏洩補修に使用されるコンパウンドの決定には、適合表が活用されます｡