On Line Leak Sealing

フランジ・バルブボンネットの補修

 

 フランジに注入口を加工します。その場合、フランジ強度に影響のないように、開口部はボルト芯より外側にします。

 

2枚のフランジの隙間に、真鍮のワイヤーを差込み、周囲をカシメ、ワイヤーが飛び出さないようにします。

 

ワイヤーと、正規のガスケットの間にできた空間に、コンパウンドを注入し、新しいガスケットとして成型します。

 

 フランジの施工の基本は、上の図で示したワイヤーコーキングによる方法です。技術者は、まず、この工法による施工に熟達しなくてはなりません。この工法はいろいろな事を教えてくれます。もし、治具を使用しなければならないときに必要となるその強度や、漏洩を封止するに必要十分な注入圧、コンパウンドの様々な挙動、等々。治具を使用してでは決して知りえない多くの事象を見せてくれます。

 できる限りフランジ・ボンネットの施工は、ワイヤーコーキングによってなされるべきですが、それでもフランジの面間の大きさや、圧力によっては、クランプ等を使用せざるを得ないことがあります。

 

 フランジ面間の大きなものは、ワイヤーの受圧面積が大きくなるため、コーキングでは支えきれなくなります。  そのため、2つ割クランプが使われます。

 

 高圧のフランジでは、コンパウンドよるフランジへの圧力が増える分、フランジボルトの強度が不足します。そのため何らかのボルトの補強が必要となります。

 

 ガスケットのクラス違い使用や、欠損では、外圧をかけることが出来ないため、フランジ全体を箱で囲う必要があります。コンパウンドは割り面に彫られた、溝に入り、フランジやガスケットには圧力はかかりません。

 

 この他、フランジの補修では部分シールや、オリィフィス・フランジの修理、全面座ガスケットの修理、等、非常に多くの修理法があります。弊社は、その全ての工法に熟練、対応しているだけでなく、より安全で、より確実な修理法の開発、研究にも力を入れています。

 

フランジ施工の難しさ

  フランジの漏洩補修には細心の注意を払わなければなりません。それは、コンパウンドの注入される空間の強度が十分ではないからです。フランジのボルトは、ガスケットの内径にかかる内圧と、シール材としてのガスケットの面圧そして、構造物としての配管強度を受け止めています。フランジのリークシールで、ガスケットの外側にコンパウンドを注入すると、当然、コンパウンドの面圧がボルトの負荷として加わります。増加した負荷は、フランジ面間を広げるよう作用し、本来のガスケットの面圧を減少させます。その状態で、注入されたコンパウンドの圧力を受け止めなければならないため、ガスケットは、ライン内へ落ちやすくなります。当然、コンパウンドもライン内に落ちエゼクターノズルを塞いでしまったり、コントロールバルブに絡んだりといった事故の原因となります。このような事故を防ぐため、ボルトの強度の確認や外周シールの方法、また補強の要否について、また、注入圧と容積、及び、注入量には特に注意する必要があります。補強する場合も、単に不足分を補ってやればよいわけではありません。ほとんどの場合、フランジボルトと、補強構造はヤング率が異なるため、単純にプラスすることができないからです。これは、耐荷重50tのワイヤロープと、同じく50tのゴムロープをあわせて100tの荷重を吊り上げることができないのと同じです。つまり、溶接が必要になるような場合なら、フランジボルトは強度計算に含めず、溶接だけで全荷重に耐えるだけの脚長にしなければなりません。

 

 

[戻る]